ゾコーバについて
名称:ゾコーバ(エンシトレルビル)
対象:軽症から中等症の患者
有効性:体内のウイルス量を減らす
服用の仕方:1日1回、5日間服用。初日は1回3錠、2日目から1回1錠
国内の供給体制:十分な量を確保している
加藤厚労相 塩野義のゾコーバ、新データもとに「緊急承認も念頭に審査」2022-10-28
開発中の新型コロナウイルス感染症の飲み薬「ゾコーバ」が最終段階の臨床試験(治験)で、オミクロン株に特徴的な発熱などの症状を改善する効果が確認されたと発表した。ゾコーバの承認を巡っては、厚生労働省の審議会で継続審議となっている。塩野義は新たなデータを提出し、早期に承認を得たい考えだ。
発表によると、最終段階の治験は2~7月、日本と韓国、ベトナムの12歳以上70歳未満の軽症から中等症のコロナ患者1821人を対象に実施。ゾコーバを1日1回、5日間服用したグループと偽薬を服用したグループに分け、症状の改善効果を調べた。
その結果、ゾコーバを服用したグループでは、せきやのどの痛み、鼻水・鼻づまり、 倦怠けんたい 感、発熱・熱っぽさの五つの症状がなくなるまでの時間がおよそ24時間短縮された。投与を始めてから4日目の体内でウイルスの量を減少させる効果も確認し、重篤な副作用や死亡例の報告もなかった。
塩野義は「統計的に有意な症状改善効果が確認された」としている。
加藤勝信厚生労働相は27日の参院厚労委員会で、塩野義製薬の新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」について「新たなデータに基づき、緊急承認も念頭に医薬品医療機器総合機構(PMDA)ですみやかに審査を進めたい」と語った。
後期第Ⅱ相試験の結果に基づき審議した7月の薬事・食品衛生審議会で「継続審議」となったあと、「企業で第Ⅲ相試験が行われ、良好な結果が得られた旨が発表された」と説明。9月末に発表された試験結果に基づき、引き続き審査を進めていく考えを示した。
ただ、加藤厚労相は有効性の推定方法など「緊急承認の運用の仕方についてはさまざまな議論がある」とも指摘し、ゾコーバの事例も「踏まえながら、適宜検討を行っていきたい」とも続けた。日本維新の会の東徹参院議員の質問に対する答弁。
東参院議員は「財務省の資料によると、新型コロナ治療薬の研究開発費に1300億円の予算を使っている」とし、国産治療薬がいつ登場する見込みなのか質していた。医薬品医療機器法を改正して創設した緊急承認制度についても「効果的に運用するための議論を行うべきではないか」とし、有効性の推定方法について検討を求めていた。